トップページ>>車椅子バスケとは

5人対5人で試合を行うこと、コートの広さ、ゴールの高さ、ボールの大きさなどは健常者が行う一般のバスケットボールと同じです。 しかし車椅子バスケの選手たちは車椅子に乗ってプレーします。脚力を使うことはできませんし、座った状態からのシュートはそれだけでも大変です。 だからこそ車椅子バスケの選手たちは練習に練習を重ね試合にのぞんでいます。 ルールもほとんど一般のバスケットボールと同じですが、車椅子でプレーするために最適化されている部分がありますので車椅子バスケの基本的なルールを紹介します。


■競技時間
試合は10分間のピリオドを4回行います。
第1と第2ピリオド、第3と第4ピリオドの間にそれぞれ2分間のインタヴァル(休憩)があり、ハーフタイムは10分間です。


■タップオフ
一般のバスケットボールのジャンプボールのようなものです。
前半が始まる前にセンターサークルで行われます。


■トラヴェリング
ボールを保持しているプレイヤーは連続して2回までプッシュ(車椅子を漕ぐこと)できます。
3回以上プッシュすると、トラヴェリングのヴァイオレーション(反則)で、相手チームのスローインになります。
一般のバスケットボールのトラベリングと似ています。しかし、2回のプッシュの後にドリブルをつけば、また2回までプッシュできます。
一般のバスケットボールでいうダブルドリブルのルールはありません。


■ゴールと点数
スリーポイントラインより内側からのシュートによるゴールは2点、外側からのシュートによるゴールは3点、フリースローによるゴールは1点となります。 フリースローやスリーポイントシュートの場合はキャスター(前輪)がラインを越えてもよい。


■主な反則(ファール)
プッシング=手や体、あるいは車椅子で相手や車椅子を無理に押して動かすこと。
ハッキング=相手を手でたたくこと。
ホールディング=手や腕で相手や車椅子を押さえて、行動の自由を妨げること。
シュートしようとした相手に対してファールがあった場合、シュート成功の場合はフリースローが1本、不成功の場合は2本与えられます。


■車椅子から転倒(助けを必要とした場合) プレイヤーがボールを保持したまま転倒した場合はヴァイオレーション(反則)で、相手側が一番近いアウトオブバウンズからのスローインとなります。
味方のプレイヤーがボールを保持していて同チームのプレイヤーが転倒した時や、相手チームのプレイヤーがボールを保持している時は、ボールを保持していた側の一番近いアウトオブバウンズからのスローインとなります。
相手がシュートをしようと試みている時、シュート成功の場合はレフリータイムの後、エンドラインから得点された側のスローインとなります。
不成功の場合はボールの保持が明確になった時点でレフリータイムの後、ボールを保持していたチームのスローインとなります。


■バックパス フロントコート(自チームのゴールがあるほうのコート)に運んだボールをバックコートにいる味方にパスしてはいけません。 もし起こった場合、ヴァイオレーション(反則)となり、相手チームのスローインとなります。


■選手の持ち点 単純に強いチームを作ろうとした場合、障害の度合いが軽い選手ばかりが試合に出場することになってしまいます。
そこで車椅子バスケでは、様々な障害を持った選手たちの試合出場の機会および、各チームの力の平等化をはかるため、各選手に障害の度合い(重い順に1.0〜4.5)に応じた持ち点というものを設定し、試合に出場する選手5人の合計持ち点を14点以下にしなければなりません。


1.0腹筋や背筋が使えず、座位バランスがとれないため基本的に手などをつかって体を支えないと、体を回旋させることができません。転倒しても自分のみで起き上がるのは難しく、座高の低い車椅子を使用します。脊髄損傷では胸椎1番から7番くらいまでの選手です。
2.0腹筋や背筋がある程度使え、前傾の姿勢が取れます。また、上半身を回旋させることができるので、後ろからのボール(パス)もキャッチすることができます。脊椎損傷では、胸椎10番から腰椎1番ぐらいの選手です。
3.0下肢(脚)に少し筋力が残っていて、脚を閉じることができます。そのため、深い前傾姿勢からすばやく体を起こすことができます。腹筋、背筋の筋力の低下はほとんどみられません。転倒しても一人で起き上がれる選手が多いです。脊椎損傷では腰椎2番から腰椎4番の完全麻痺、胸椎の不完全麻痺などです。
4.0基本的に両手を横に広げて、車椅子ごと横方向へ大きく傾けることができます。座高の高い車椅子を使用する選手が多いです。大腿(太もも)1/2以上の片足切断、脊椎損傷では腰椎の不完全麻痺などです。
4.5大腿1/2以下の片足切断(ひざが残っているなど)や、より軽度の脊椎損傷の不完全麻痺で、自由自在に体を動かすことができます。
5.0健常者がプレイする場合に、5.0点となります。最近では健常者も参加が認められる試合も増えてきています。

■使用する車椅子の規格
●保護用水平バーの高さ=11cm(床面から保護用水平バーの最も前に出ている部分までを計測します)
●シート(座っているところ)=1.0〜3.0点のプレイヤーは63pまで。3.5〜4.5点のプレイヤーは58pまで。(クッションを含めて床から座面の最も高い点までを計測します)
●大輪の大きさ(タイヤの大きさ)=69cmまで(空気を入れたタイヤの外側部の直径で計測します)

  
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